言語聴覚士国家試験対策 要点整理06
ミニレクチャー 言語発達障害003「1歳6ヶ月健康診査」

┏きょうのポイント━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃1歳6ヶ月健康診査の項目は5つ。  独歩、積み木2〜3段、単語数語、命令理解、聞こえ ┃
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◆今回は「1歳6ヶ月健診」について検討します。1歳6ヶ月というのは発達のひとつの大きな節目です。
国試には第3回、6回、7回に出題されています。第3回、7回の問題を見てみましょう。
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第3回専門
問題30 1歳6か月児健康診査において「精神・言語発達上問題なし」とされるのはどれか。
1.視線が合わない。
2.哺乳ビンで飲んでいる。
3.母親に甘えてこない。
4.単語が5個話せる。
5.後ろから名前を呼んだときに振り向かない。
解答:4

第7回専門
問題34 1歳6ヶ月児健康診査の項目で要観察になるのはどれか。
1.3歩以上歩行可能である。
2.指さしがある。
3.積木を2つ重ねる。
4.有意語は1語である。
5.簡単な命令を理解する。
解答:4
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◆上記の問題は、基本的には「1歳6ヶ月児健康診査」(発達に関するチェック項目)さえ知っていれば正答できる問題です。
健診項目は、
1.ひとりで上手に歩けるか
2.積み木を2〜3段積めるか
3.ママ、パパ、ワンワンなどの意味のある単語を話すか
4.「新聞持ってきて」などの簡単な命令を理解できるか
5.よく聞こえているか、
の5項目です。

しかし、最近の国試は、丸暗記だけでは対応できない傾向にあります。第7回問題34も若干表現をひねってあります。
そこで、今回は、項目2.3.4.についてこの時期の発達的な特徴をふまえながら少しだけ詳しく見ていきましょう。
少し長くなりますが読んでください。
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◆「積み木を2〜3段積めるか」
 2〜3段となっていますが「3つ以上」積むことが基準とされています。1歳になると積むことはできます。しかし3つ以上はできません。1歳6ヶ月になるとそれができ、(1)3つ以上積む、(2)くずれても積み直す、(3)くずれそうになることがわかって気持ちのこもった表情をする、などがみられます。
 「2つ」は1回積んだら終わり。「3つ以上」ということは1回積んだだけでは終わりにならないということです。“もうひとつ積んでみよう”という活動のつながりが1歳6ヶ月児にはみられます。
 第7回問題34の「3.積木を2つ重ねる。」も全く問題がないというわけではありません。が、“積み木をいくつ積めたか”というのはあくまでも活動の結果ですから、健診の場で“できなかった”としてもそれだけで要観察とせず(2)(3)などの点についての評価も加味されなくてはなりません。

◆「ママ、パパ、ワンワンなどの意味のある単語を話すか」
 表出言語の発達は個人差があり、その過程にはタイプがみられます。
 10ヶ月前後の「マンマンマン」などの後期喃語は、常に食べ物だけに向けられておらず(第6回国試問題28参照)、音声と対象とがしっかり対応するには至っていません。これがしっかり「マンマ」として食べ物と結びつく(定位される)のは1歳頃です(これができるためには「〜はどれ?」に対して確実に「指さし」できることが前提)。その後、名詞が少しずつ増え、さらに「アッタ」「ネンネ」などの動詞も見られるようになります。そして、1歳後半にはいわゆる「ボキャブラリー・スパート」と呼ばれる語彙が急増する段階に入ります。この「ボキャブラリー・スパート」を経て2歳頃からの2語文へとつながるのです。
 1歳6ヶ月健診はこの時期に行われるものだということを知っておかねばなりません。ですから「有意語が1個」では「要観察」となります。

◆「新聞持ってきて」などの簡単な命令を理解できるか
 「新聞持ってきて」ができるようになるまでの、言語理解の発達過程をみてみると、8〜9ヶ月頃、「バイバイ」「トントン」「チョチチョチ」などの動作(おもに手、腕)が、言葉だけによる話しかけで可能になります。この基盤には「相互性の獲得」があることを前回述べました。続いて1歳頃になると、「ワンワンはどこ?」「パパはどこ?」と聞かれると指さすようになります。1歳を少し過ぎると、「ネンネ」「起きて」「おいで」など移動を含んだ動作に関する理解ができるようになります。
その後さらに動作に対する理解や身近な物品についての理解が進み、「靴はいて」「ゴミぽいして」「新聞持ってきて」などができるようになるのです。

参考─────────────────────────────────────────
長崎勤、小野里美帆 共著「コミュニケーションの発達と指導プログラム」(日本文
化科学社)
宮尾益知、二瓶健次 編集「言語聴覚士のための基礎知識」(医学書院)
田中昌人、田中杉恵「子どもの発達と診断・2乳児期後半」(大月書店)
白石正久「発達の扉・上」(かもがわ出版)


 

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