攻略困難な言語学の要点を簡潔にまとめました。
本シリーズ1〜3を理解していれば、第1〜8回の言語学問題の約9割が正答可能で
す(統語構造の問題は解けません・・・)。
総チェック時にご利用ください。
その3「語用論/おまけ(アクセント・文字)」
【語用論】
☆「協調の原理」の4つの公理
・ポール・グライス(語用論の父)
・人間は生来助け合うものなので、効率的な伝達が可能であり、協調的な
行動を取る。
量の公理
質の公理
関連性の公理
様態の公理
☆ピジンとクレオール
ピジン:言語の異なる人々が通商などの目的で伝達を行うために作った言語
クレオール:ピジンがある言語共同体において母語となったもの
☆言葉の属性
男女差
年齢差
階層差
☆ダイグロシア(2言語変種使い分け)
・1社会の中で2つの異なる言語変種が存在し、それらが独自の社会機能を
もって共存している状態のこと。
☆敬語
・日本語もダイグロシアほどではないが言語変種があり、敬語もその一つ。
敬語を用いる/用いないという言語の選択を行っている。
・敬語の使用条件
親疎関係
上下関係
身内が否か
場面
【おまけ1:アクセント】
☆基本
・日本語のアクセントは基本的にピッチアクセント
(他の言い方としては、高さアクセント、
相対的アクセントともいう。←声調言語が絶対的アクセントに対して)
・方言によってはアクセント型が異なる。
・日本語は自由アクセント
・アクセント機能
境界表示機能と意味の弁別機能
☆東京方面
・東京方面の名詞アクセントの規則
第1モーラと第2モーラのピッチが異なる。
1度下がったピッチは上昇しない。
Nモーラのアクセント型はN+1個。
・東京方面の動詞・形容詞アクセントの規則
後ろから2つ目が落ちるまたは落ちない。
後ろから2つ目が特殊モーラのときは1つ前にずれる。
・東京方面の外来語アクセントの規則
語末から数えて3つ目のモーラにアクセント核がくる。
語末から3モーラ目が特殊モーラのときは1つ前にずれる。
☆東京以外のアクセント
・京阪方言のアクセント規則
京阪は特殊モーラにも1つの存在価値を与えて丁寧に発音する。
アクセント型は2つ 但し、核なし、ありを入れるともっとある。
・鹿児島方言のアクセント規則
シラビーム方言とはモーラではなく音節が有意義な音韻単位として機能する。
アクセント型は2つ。
A型:語末から2つ目の音節が高くなる型
B型:語末音節が高くなる型
☆その他
・複合型名詞アクセント規則
1つのアクセント核を作る。
主と従の関係が関与する。原則として後ろが主。そのアクセント核を継承
することが多いが、ストラトジーが働く
【おまけ2:文字】
☆大まかな分類
┏表語文字:漢字
表意文字━┫
┗形態素文字:漢字の偏やつくり
┏音節文字:かな
表音文字━┫
┗音素(分節)文字:アルファベット
・表意性を持つからといって表音性を失っているわけではない。
・漢字を音声面的側面から考えると中国語や韓国語では1音節を表す文字で、
日本語でも音読みの漢字は2モーラまでなので1音節の場合も多く、そう
考えると漢字も音節文字とも言える。
・漢字から脱落して日本語の音節を表すようになったものが仮名。
・漢字の偏旁の一部を取って出来たもの片仮名。
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〈参考文献〉
「言語聴覚士テキスト」(医歯薬出版株式会社)
「言語聴覚士指定講習会テキスト第2版」(医歯薬出版株式会社)
「新しい日本語学入門」庵功雄(スリーエーネットワーク)
「生成言語学入門」井上和子、原田かづ子、阿部泰明(大修館書店)
「日本語音声学入門」斉藤純男(三省堂)
「よくわかる言語学入門」町田健、籾山洋介(バベル・ブレス)
「社会言語学」真田信治、渋谷勝巳、陣内正敬、杉戸清樹(おうふう)
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